今月の主題 今日の血液形態学
白血病細胞の形態学
Prolymphocytic leukemia
溝口 秀昭
1
Hideaki MIZOGUCHI
1
1東京女子医科大学・内科I血液内科
pp.1200-1201
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216628
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定義
1974年Galtonらは次のような特徴を有するリンパ性白血病症例15例をまとめ,prolymphocytic leukemia(PL)という独立した疾患単位の存在を提唱した1).その特徴は,①巨脾,②リンパ節腫脹がほとんどないこと,③末梢リンパ球の著明な増加,④特徴的なリンパ球形態,⑤X線,アルキル化剤,ステロイドホルモン,6MPなどによる治療に対する反応の悪いことなどがあげられている.
prolymphocyte(前リンパ球)という名前は,増殖している細胞がリンパ芽球と成熟リンパ球の中間の形態をしているためにつけられたものである.腫瘍細胞が明らかな核小体を有ずるために急性リンパ性白血病(ALL)と診断され治療されることもあるが,その症状,経過などはむしろ慢性リンパ性白血病(CLL)に近く,CLLの異型と考えられる.
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