コラム
7q転座型急性白血病
浅井 さとみ
1
1東海大学医学部臨床検査医学
pp.995
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906337
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病態と意義
7q35には,T細胞抗原受容体(T-cell receptor:TCR)遺伝子の1つTCRB(TCRβ)鎖遺伝子が存在し,同部位の染色体異常すなわち転座はT細胞性急性リンパ性白血病にみられる.7q35転座によってt(1;7)(p34;q35)でLCK,t(7;9)(q35;q32)でTAL2, t(7;19)(q35;p13)でLYL1,t(7;10)(q35;q24)でHOX11(図)とキメラ遺伝子が形成され,T細胞の分化の障害や癌化に関与している.TCRα鎖/δ鎖遺伝子が存在する14q11転座と合わせると,頻度は急性リンパ性白血病の約5%で,未熟T細胞型の表現型を示すが,B前駆細胞型を呈する例もある.予後は一般に不良である.
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