コラム
8q24転座
増川 敦子
1
1東海大学医学部附属病院臨床検査科
pp.912
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906313
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病態と意義
8番染色体の長腕の8q24にはMYC遺伝子が存在し14q32との相互転座t(8;14)において14q32上の免疫グロブリンH鎖(IgH)とキメラ遺伝子を形成する.バーキット(Burkitt)リンパ腫の80%にt(8;14)(q24;q32),亜型として,5%にt(2;8)(p12;q24),15%にt(8;22)(q24;q11)がみられる.2p12上のIgL鎖のκ鎖,22q11上のλ鎖遺伝子と転座により結合する.この結果,MYCの発現増加が起こり腫瘍化する.多発性骨髄腫でもt(8;14)がみられる.T細胞性リンパ性白血病での8;14転座ではMYC遺伝子と14q11.2に存在するTCRA(TCRα)(T細胞抗原受容体)遺伝子間で再構成が起こる.
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