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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VIII.血液化学検査
84.中性脂肪
Triglyceride
村井 哲夫
1
1筑波大臨床医学系臨床病理
pp.1828-1829
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216188
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異常値を示す疾患
血清トリグリセリド(TG)値の異常をきたす疾患を表にまとめた.日常認められる異常値のほとんどは続発性の脂質代謝異常によるものである.血清TGは,エネルギー源としての脂質の吸収,貯蔵,消費,合成のバランズを示すものであり,諸疾患によって脂質代謝に影響があった場合,異常値をとることは当然考えられる.ただし,これら続発性TG異常を示す糖尿病,ネフローゼ症候群,肝疾患などの診断はその臨床所見,検査データなどから総括的に行われるものであり,TG値が診断のきめ手になるようなことは考えられない.
なお鑑別診断上,食餌性高脂血症,肥満症,動脈硬化症などにおけるTG値を含む脂質検査の諸データの解釈は他の続発性高脂血症に比較し,臨床検査データが必ずしも特異的所見を示さないため困難なことが多い.忘れてならないのは薬剤の影響によるTG異常値の出現で,このような場合,原疾患による影響か否かの判断はかなりむずかしいものとなる.薬剤と食餌性TG異常値の場合には特定臓器疾患としての症候,所見が不明瞭なことが多い.
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