今月の主題 腸疾患の臨床
大腸潰瘍性病変
非特異性(孤立性)直腸潰瘍
勝見 正治
1
,
松本 孝一
1
1和歌山医大消化器外科
pp.1188-1190
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216005
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はじめに
直腸に発生する潰瘍性病変は,表1に示すごとく,癌などによる腫瘍性のもの,結核,赤痢アメーバなどによる特異性炎症性のもの,あるいはクローン病,潰瘍性大腸炎,虚血性大腸炎などの広義の非特異性のほかに,狭義の非特異性のいわゆる弧立性直腸潰瘍がある.本症は1829年Cruveilhierが初めて報告し,1937年Lloyd-Daviesが初めてこの命名をし,1969年MadiganとMorsonが68例の詳細な検討から漸く本症の病態を明らかにした.その後Kennedyが45例,Rutterが105例を集計し,本邦でも1972年村上らの報告にはじまり,筆者らも3例を報告し,最近吉岡らは16例を集計し,国内外ともに急速な症例の増加をみている.
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