臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
X.血液・造血器疾患
4.血液成分の輸血と骨髄移植
血小板輸血
雨宮 洋一
1
1日大第1内科
pp.2237-2239
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208320
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はじめに
血小板輸血の適応症は原則として,その治療目的とする血小板減少性出血が,種々の原因に基づく血小板産生能低下によるものであり,また血小板減少状態が,一定期間に限られている症例に対して行うべきである.
すなわち,消費性の血小板減少症である特発性血小板減少性紫斑病(ITP)では,致命的出血の危険があるとき以外は用いるべきではなく,また効果も期待できない.また再生不良性貧血は,その血小板減少状態が持続的であるため,高度の出血がすでに存在するか,その危険が予測されるとき,あるいは外科的処置が必要なとき,などにのみ限定して用いるべきで,漫然と血小板輸血をくり返すことは慎まなければいけない.
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