今月の主題 免疫不全とAIDS
後天的免疫不全症
白血病における顆粒球減少
柴田 弘俊
1
1大阪府立成人病センター・臨床検査科
pp.2706-2710
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221435
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急性白血病においては,その疾患自体の正常骨髄機能の低下による顆粒球産生能の低下,さらに寛解導入療法中では抗白血病剤の多剤併用療法により,顆粒球はさらに減少する.また,白血病においては,顆粒球の減少とともに,種々の要因により免疫不全の状態が増幅され,易感染性はますます増大する(図1).しかし,白血病の治癒をめざした治療を行うにあたっては,この顆粒球の減少は治療計画を立てた時点より予測され,その時期も予測可能であり,かつその時期に発症するであろう感染症を克服しなければ,白血病の治療は成り立たない.本文では,急性白血病の顆粒球減少時の感染症の特徴を明らかにし,その予防法について述べる.
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