増刊号 免疫反応と臨床検査2010
III 輸血
1 輸血に関連した血小板の検査
松橋 美佳
1
1東京大学医学部附属病院輸血部
pp.848-851
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102906
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はじめに
血小板上には,ヒト血小板特異抗原(human platelet antigen,HPA),ヒト白血球抗原(human leukocyte antigen,HLA)クラスI抗原や血液型のABO抗原,Lewis抗原,P抗原などの同種抗原が存在する.頻回の血小板輸血や妊娠によって産生される血小板に対する同種抗体(以下,血小板同種抗体)は,血小板を破壊し,血小板減少症の原因となる.
血小板同種抗体が関与する臨床的に重要な病態として,新生児血小板減少症(neonatal alloimmune thrombocytopenia,NAIT),血小板輸血不応(platelet transfusion refractoriness,PTR),輸血後紫斑病(post-transfusion purpura,PTP)などが知られているが,これらの病態の診断および原因解明には,原因抗体の検出・同定が必須である.
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