技術講座 輸血
血小板輸血検査
谷脇 清助
1
1兵庫医科大学病院輸血部
pp.27-32
発行日 1986年1月1日
Published Date 1986/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203544
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,単一供血者から大量に血小板を採取することが可能となり,白血病をはじめとする難治性の血液疾患の治療に用いられ,輸血効果を上げている1).一方,大量の血小板輸血を長期に行うことにより血小板および混入するリンパ球によって感作されてリンパ球抗体,血小板抗体が産生される.血小板抗体産生後は,血小板輸血を行っても血小板数の上昇,止血効果が現われず,反対に血小板採取時に混入したリンパ球と,リンパ球抗体との反応による発熱,悪寒戦慄などの副作用が出現するケースがしばしば経験される2,3).このような血小板抗体産生患者への血小板輸血には従来,リンパ球細胞毒試験(LCT法)により供血者の選択を行うか,また無差別に大量の血小板を輸血することにより,止血効果を期待しているのが現状である.
血小板抗体検出法の開発は,現在まで多くの研究者によって試みられているが,まだ確立された方法はなく一長一短が現状である4,5).次に主な血小板抗体検出法を示す.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.