臨床医からの質問に答える
血小板輸血の際のトリガー値
羽藤 高明
1
1愛媛大学医学部附属病院輸血部
pp.166-168
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101202
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■背 景
血小板輸血は,血小板減少症に対する補充療法であり,強力な癌化学療法や移植医療を安全に遂行できるようにするための支持療法として行われることが多い.血小板数がどのくらいまで減少すれば血小板輸血を開始すべきなのかについては臨床上重要な指標となっていて,この数値をトリガー値と呼んでいる.血小板輸血のトリガー値は,これまで半ば慣習的に決められていたが,近年,質の高い無作為対照試験が複数実施され,エビデンスに基づいた基準が明確になった.これを踏まえて,2005年に厚生労働省(以下,厚労省)より通達された輸血ガイドラインは新たな基準に改訂されている.本稿では,トリガー値設定の科学的根拠とトリガー輸血を実施するうえでの問題点および注意点について述べる.
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