臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
III.呼吸器疾患
8.その他の肺疾患の治療
自然気胸
於保 健吉
1
,
新妻 雅行
1
1東京医大第1外科
pp.1866-1868
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208181
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はじめに
自然気胸は近年増加の傾向にあり,大都市およびその周辺部にとくに著しいことから,大気汚染と本症との因果関係を指摘する報告もあるが,それよりも若年者に多いことから,気管支肺胞系の発育障害を考えねばならない.従来,特発性といわれていた自然気胸のほとんどが肺胞性嚢胞(気腫性嚢胞)の胸膜腔への破裂によって生ずることが明らかになってきた.治療法は安静を主体とする保存的療法から,気胸器あるいは注射器による穿刺脱気,胸腔ドレナージによる持続吸引,胸腔鏡下接着剤噴霧,開胸手術があるが,これらの各段階の治療法に対する適応についての考え方も各施設によって差異がみられる.本稿では筆者らの教室で行っている自然気胸治療のポイントを中心に,その概要について述べる.
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