診断基準とその使い方
自然気胸
吉村 敬三
1
1浜松医大第1外科
pp.1115-1117
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206097
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自然気胸の病態生理
本症はその名の示す通り,かつては原因不明の気胸として処理され,しかもその原因の大半が結核であろうと考えられていた時代があるが,1935年ごろから,徐々にこの疾患は肺嚢胞症,ことにbullaまたはblebsの破裂によるものが大部分であることが多くの識者によって認められてきた.
しかし,このような気腫性肺嚢胞症の本態ならびに成因については,必ずしも完全には解明されていないのが現状である.すなわち間葉組織の発育不全説や,肺胞の奇形説など,先天素因を重視する立場や,炎症が肺胞壁の破壊を起こさせるとする後天説をとる立場もあり,一概には説明できない.
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