今月の主題 手術適応の問題点
手術適応のカレント・トピックス
自然気胸
武野 良仁
1
1日産厚生会玉川病院・臨床研究
pp.1236-1237
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205592
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自然気胸の治療法にはまだ定説がない
最近,自然気胸が増加していることは,多くの統計の示すところである1〜3).一般医家における胸部X線検査が普及した現在,その診断についてはすでに問題となるような点はあまりなくなったといえる.しかしその治療に関しては,各施設・各医師によって千差万別といってよいほど,考え方に差があるのも事実であろう.すなわち,単なる安静から開胸手術にいたるいくつかの段階があって,その適応には未だ定説がない.これは自然気胸が多くの場合,重症感を欠き,かつ致命的でないという特殊性のためと考える.
最近,筆者は胸腔鏡下接着剤噴霧による瘻孔閉鎖法を考案5),すでに自験例30を超え,好結果を得ている.これは自然気胸で手術禁忌の症例や開胸拒否例にも応用できるので,広く普及することが望まれる.ここには本法を中心に,広く自然気胸の治療適応についての概説
を試み,手術適応についてはとくに筆者なりの考えを述べてみたい.
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