臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
I.救急車で運ばれてくる重症患者の処置
吐血
柳 郁夫
1
1日本医大救命救急センター
pp.1744-1746
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208136
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
吐血はTreitz靱帯より口側の上部消化管からの出血により起こる.出血によるショック状態の発現は,年齢,基礎疾患,合併疾患,循環系の状態,また出血の量,速度などにより異なり一概にいえないが,通常,循環血液量の25%以上,すなわち1200〜1700ml以上の出血があると中等度のショック状態を呈し,速やかな循環血液量の回復が行われないと不可逆性ショックに陥り,致命的ともなりかねない.
したがって,吐血に対する第1の処置は失われた循環血液量を回復し,ショックの予防,治療を行うことである.ついで原因疾患を究明,内科的あるいは外科的に原疾患に対する治療を行う.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.