臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
I.救急車で運ばれてくる重症患者の処置
急性腹症
大塚 敏文
1
1日本医大救命救急センター
pp.1748-1749
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208137
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
腹部に激痛を伴い,短時間のうちに手術を必要とするか否かを決定しなければならないような腹腔内の急性疾患を総称して,一般には急性腹症と呼んでいる.したがって,急性腹症の患者に遭遇したならば,できるだけ迅速に,かつ正確に診断するように努力しなければならないが,ときには救命の目的で急性腹症の診断のまま手術に踏み切らざるをえない場合もある.このような症例では,診察や検査のために,不必要な時間を費すことなく,緊急手術の可否を決定することが極めて重要となってくる.しかし,実地臨床において,急性腹症に含まれる疾患は極めて多岐にわたっており,それぞれが同じような急性症状を呈することが多いので,診断や鑑別は必ずしも容易ではない.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.