特集 薬物療法マニュアル
Ⅰ.救急患者の薬物療法
6.消化器系
吐血
外村 修一
1
,
小西 敏郎
1
Nobukazu HOKAMURA
1
1関東逓信病院外科
pp.78-79
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903782
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吐血の概論
吐血患者を救急で診察する場合,まず患者の全身状態を把握することが肝要となる,バイタル・サインをチェックし,出血性ショックに陥っている場合はその対策を優先する.全身状態の改善をはかりながら,同時に出血部位と原因疾患の検索を行う.その際,吐血の性状,疾患の既往などが出血部位と原因疾患を推測するうえで重要である(表1).
全身状態が落ち着いたら直ちに緊急内視鏡を行い,出血部位と原因疾患を検索する.出血部位としては食道,胃,十二指腸が考えられ,原因疾患としては静脈瘤,潰瘍,急性胃粘膜病変(acute gastric mucosal lesion:以下,AGML),癌,Mallory-Weiss症候群などが考えられる(表2).出血部位と原因疾患,ならびにその程度に応じて治療計画を立てる.
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