今月の主題 デルマドローム—内科疾患と皮膚病変
膠原病・免疫異常
全身性血管炎の皮膚症状
新井 春枝
1
1北里大皮膚科
pp.1590-1591
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208093
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はじめに
一般に"血管炎"というと含まれる疾患はかなり多くなるが,ここで述べる全身性血管炎(または広義の多発性結節性動脈炎ともいう)とは,第1に血管を場とする系統的な炎症性疾患であること,第2に表1の病理組織学的所見を満足する壊死性血管炎であること,第3に基礎疾患(例:全身性エリテマトーデスなど)を除外できること,そして表2の診断基準を満足する疾患と定義する.
壊死性血管炎の皮膚症状は罹患血管の解剖学的大きさおよび位置によって異なるため,臨床病理学的に理解すると便利であろう.
皮膚の血管を大きく分けてみると,一つは真皮全層に存在する筋層を欠く細小血管,他は真皮皮下境界部から下層に存在する筋層を有する小血管の2つになる.
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