演習・放射線診断学 シンチグラム読影のコツ・4
脳・脳槽シンチグラム
久保 敦司
1
,
木下 文雄
2
1慶大放射線科
2都立大久保病院放射線科
pp.1482-1488
発行日 1978年10月10日
Published Date 1978/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208066
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中枢神経系のRIイメージ診断法を大別すると,脳シンチグラフィーと脳槽シンチグラフィー(システルノグラフィー)とに分けられます.両検査法ともかなり長い歴史を持っており,中枢神経系疾患の診断過程に重要な位置を占めてきました.生理的状態でCSF動態を知り得る脳槽シンチグラフィーの意義は依然として大きいのですが,近年,脳腫瘍,脳血管障害などにとって優れた検出能を持つコンピュータ断層撮影(computed tomography,CT)が急速に普及してきたため,形態診断の要素の強い脳シンチグラフィーの役割はやや減じた感があります、しかし将来,より解像力の優れたスキャン装置あるいはRI断層装置の開発,99mTcO4-とは異なった薬理作用を持つ放射性薬剤の出現が期待できるので,脳シンチグラフィーが形態診断というよりむしろ生理診断として,再び脚光を浴びる日がくるかも知れません.
ここでは,従来の99mTcO4-による脳シンチグラフィーおよび脳槽シンチグラフィーについて,症例を中心に述べてみたいと思います.
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