今月の主題 慢性骨髄増殖症候群
治療
CGLの急性転化例の治療
天木 一太
1
,
竹内 仁
1日大第1内科
pp.1158-1160
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207991
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CGLの経過と急性転化
慢性骨髄性白血病(chronic granulocytic leukemia, CGL)は,その慢性期においてはブスルファンなどにより容易に緩解に導人され,正常な日常生活を続けることが可能である.しかし,1〜4年で急性転化するものが多く,いったん急性転化すると急性白血病に使用される強力な薬剤でも効果がなく,数ヵ月以内に死亡するとされてきた.
CGLの急性転化率は報告者によって異なるが,およそ60〜80%である.しかし,急性転化しなかった症例の多くは,慢性期に緩解が得られなかったか,他病で死亡した例である.一方,CGLの急性転化例では,しばしばPh1染色体の存在に加えていろいろな付加的染色体異常(additionalchromosomal changelが認められ,これらの変化が急性転化の臨床症状発現の数ヵ月前から存在していることから,急性転化はこれらの付加的染色体異常をもつ新しい白血病細胞のクローンによってひき起こされると推測されている.この新しいクローンは,まったく新しく出現したものではなく,慢性期にみられたPh1染色体のクローンから変化(clonal evolution)したのではないかという考え方が現在のところ有力である.
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