今月の主題 慢性骨髄増殖症候群
慢性骨髄性白血病
急性転化時の細胞表面マーカー
下山 正徳
1
,
湊 啓輔
1
,
斉藤 博
1
1国立がんセンター病院内科
pp.1121-1124
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207978
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はじめに
慢性骨髄性白血病(CML)の60〜90%の症例は急性転化で死亡することが明らかにされている.急性転化時に出現する芽球は,最近形態学的に,に分けられている1).いずれもPh1染色体が陽性である.このような形態学的所見より,すでにBoggs1)は,CMLのleukemic stem cellは多分化能を持つ可能性を指摘した.
一方,小児の急性リンパ性白血病(ALL)の治療後,CMLを発症する症例の報告があり2,3),最近になって,これらの症例ではALLの時代にすでにPh1染色体が陽性であることが指摘され,最初のALLの芽球はCMLのleukemic pluripotent stem cellと同一視され得るものであると考えられるようになった4,5).
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