図譜・大腸内視鏡診断学
VI.大腸炎症性疾患—5)潰瘍性大腸炎(その2)
佐々木 宏晃
1
,
長廻 紘
1
1東女医大消化器病センター
pp.857-860
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207917
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潰瘍性大腸炎(以下ucと略す)の内視鏡所見による病期の判定は比較的容易である.しかし,緩解期と考えられる例の内視鏡所見と組織所見には,しばしば解離が認められる,すなわち,肉眼的にほぼ完全に緩解期と考えられる例でも,組織学的にはまだ軽度の炎症所見が残存することはよくある1),この解離を解消するために,色素(インジゴカルミン,メチレンブルーなど)を用いた内視鏡検査が施行されるようになった2,3).さらに切除標本の実体顕微鏡的観察による成果4)をふまえて,拡大大腸内視鏡が開発され,ucの緩解期における組織所見との解離は,ほぼなくなったと考えてよい.
今回は,前回にひき続き,非活動期(緩解期)quiescent stageの内視鏡像,色素による内視鏡検査,炎症性ポリープ,そしてucの鑑別診断について述べる.
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