図譜・大腸内視鏡診断学
III.大腸炎症性疾患(2)—大腸結核症
佐々木 宏晃
1
,
長廻 紘
1
1東女医大消化器病センター
pp.401-403
発行日 1978年3月10日
Published Date 1978/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207794
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腸結核は,主に回盲部に限局性の潰瘍を形成する炎症性疾患の一つとして,Crohn病との関連で最近再び注目されるようになり,本邦ではまだ決して少なくない疾患である.もちろん抗結核剤の発達により,その数は以前に比し減少しており,発見されるものも典型的な潰瘍形成性の活動性のものは減少し,陳旧性の瘢痕化したものが多くなっている.これに伴い,病理学的,あるいは細菌学的に裏づけのある確診例は減少し,内視鏡所見,X線所見,臨床経過などからの疑診例が増加する傾向にある.このような意味では,大腸結核は診断の困難なものである.しかしながら最近では,病理学的,細菌学的な裏づけがなくとも,内視鏡所見,X線所見から積極的に診断しようとする傾向も出てきている1,2).今回は,この大腸結核の内視鏡像を紹介する.
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