図譜・大腸内視鏡診断学
V.大腸炎症性疾患—4)潰瘍性大腸炎(その1)
佐々木 宏晃
1
,
長廻 紘
1
1東女医大消化器病センター
pp.693-695
発行日 1978年5月10日
Published Date 1978/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207876
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潰瘍性大腸炎(以下ucと略す)は,主として粘膜を侵し,しばしばびらんや潰瘍を形成するびまん性非特異性炎症性疾患である.日本では比較的稀な疾患であるが,近年増加傾向にある.病因は,Wilksら1)の報告以来1世紀を経た現在でもなお不明である.臨床的には,下痢,下血を主症状とし,そのほか腹痛,体重減少,裏急後重,発熱,不定の消化器症状を呈する.緩解,再燃をくり返すものが多く,治療は困難であるが,内科的コントロールは可能である.予後は,激症例癌化例を除き,比較的良好である.今回から2回にわたり,ucの代表的な内視鏡像を紹介する.
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