今月の主題 消化・吸収の基礎と臨床
消化・吸収の基礎的トピックス
小腸吸収上皮の超微細構造
山元 寅男
1
1九大第1解剖学
pp.612-615
発行日 1978年5月10日
Published Date 1978/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207855
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はじめに
小腸は,食物として摂取した物質をその管腔内で消化分解したのち,粘膜から吸収し,血管およびリンパ管を介して肝臓や全身の器官組織に送り込む役割を担っている.
腸管内の消化は,主に膵液中に含まれる消化酵素により営まれるが,二糖やジペプチドの消化は,吸収上皮細胞の自由縁の細胞膜に局在するジサッカリダーゼやジペプチダーゼによって行われることが最近明らかになってきた.腸管における吸収はほとんどが吸収上皮細胞を経由して行われるもので,細胞間隙を通っての吸収はほとんどない.
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