今月の主題 消化・吸収の基礎と臨床
消化・吸収の基礎的トピックス
膜消化と膜輸送機能
武藤 泰敏
1
1東大保健栄養学
pp.616-618
発行日 1978年5月10日
Published Date 1978/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207856
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はじめに
消化の最終段階(終末消化)と吸収の初発段階とを厳密に分離することは困難であり,むしろ両者は小腸微絨毛膜を場として,ほぼ同時に進行するものであると考えられるようになっている.これが膜消化(membrane digestion)という概念であり,電顕的観察の導入ならびに小腸粘膜刷子縁(微絨毛膜+内髄)や微絨毛膜の単離と,その生化学的分析の進歩によって裏付けられるに至っている(詳細は文献1)参照).本稿では,微絨毛膜に局在する酵素(膜消化酵素)と膜輸送(membranetransport)を,とくに糖質の消化・吸収に焦点を合わせて述べる.
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