特集 第8回神経病理学会
一般演題〔1〕〜〔79〕抄録・討論
〔1〕〜〔9〕電子顕微鏡
〔1〕潅流固定による中枢神経超微細構造の研究,他
生田 房弘
1
,
西川 喜作
2,3
,
Leon Roizin
4
,
宮川 太平
5
1新潟大脳研
2慶大神経科
3国立下総療養所
4コロンビア大学神経病理
5熊本大神経精神
pp.821-865
発行日 1967年12月25日
Published Date 1967/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904473
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中枢神経系の組織化学的,電顕的研究に種々の固定液を用いて灌流を行なつた。ラッテ・ネコ・サルを用いたがそれらの電顕的研究について報告する。手術は麻酔開胸後,大動脈にカニューレを入れ,Palay's salt solution(1962)を用いてwashingをしたがgulteraldehydeではその必要がなく,osmicacidではそれを行なうことによりよい結果を得た。ラッテでは血圧120mmの圧力で灌流するのが最もよい。用いた固定液はフォルマリン,hydroxyadypaldehyde,Osmicacid,Millonig燐酸緩衝OsO4,gulteraldehydeの5種で,種々の濃度で行なつたが,このうち3%gulteraldehyde,1%Millonig燐酸緩衝OsO4,1%OsO4,の順でよい結果が得た。12.5%hydroxyadypaldehydeは組織化学的研究にはよいが,電顕的検素にはフォルマン固定同様よい結果が得られなかつた。1%Millonig燐酸緩衝OsO4,と3%gulter aldehyde灌流固定とを比べてみると,前者は蛋白成分の固定がよく,lysosomeや小顆粒,Golgi小体,synapticvesicleなどの検索によい。
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