今月の主題 糖尿病マネージメントUpdate
糖尿病治療の実際
経口血糖降した剤療法—新しい経口血糖降下剤の展望
河津 捷二
1
1埼玉医科大学・第4内科
pp.958-960
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222504
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諸外国における場合をも含めて,経口血糖降下剤として一般に使用されているのは,ほとんどすべてスルポニルウレア剤(SU剤)のみであり,ヨーロッパの一部そして日本において補助的にビグアナイド剤(Big剤)が使用されている.su剤にっいてはグリベンクラミド(HB419)をもってほぼ完成された(?)とも言われ,現在は作用機序の異なる経口血糖降下剤がいくつか検討されている段階である.すでに述べられてきたように,インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)の治療目標も,インスリン依存型糖尿病(IDDM)と同様,代謝是正が最大の眼目であり,残存する膵内分泌機能をいかに引き出し,いかにインスリンを活用するかということが中心課題となる.現在もなおNIDDMに惹起される諸合併症を考えるとき,現行の経口血糖降下剤療法にまだまだ問題をはらんでいることは自明といわざるをえない.
NIDDMの成因は不明といえども,従来の経験から,食事療法あるいは運動療法は確かに有効であり,NDDDMの治療は摂取エネルギー量,膵インスリン分泌予備能および全身諸臓器のインスリン感受性の問題に帰結すると思われる1).
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