臨時増刊特集 診断基準とその使い方
I.循環器疾患
収縮性心疾患
楠川 禮造
1
,
星野 恒雄
1
1天理よろづ相談所病院循環器内科
pp.1660-1663
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207475
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概念
心臓の拡張期における充満が障害・制約される一群の心疾患を収縮性心疾患(restrictive cardiac disease,あるいはconstrictive heart disease)として一般に総称されている.このような心臓の拡張期充満の障害は種々の疾患で起こり得る.なかでも収縮性心外膜炎(constrictive pericarditis)はよく知られた疾患である.これは心外膜炎の結果として,心外膜に硬い線維性肥厚を生じ,そのために心臓が外から硬く包まれた形となり,拡張期における充満が障害された状態である.同様な状態は心嚢内の貯留液のために心嚢内圧嚢が上昇し,心臓の拡張期充満が障害された場合にも生じ,心タンポナーデ(cardiac tamponade)と呼ばれる.一方,心筋あるいは心内膜の変化,あるいは異常物質の浸潤などにより心筋のコンプライアンスが低下し,心臓の拡張が障害される場合がある.収縮性心筋症(constrictive,or restrictive cardiornyopathy),心アミロイドーシス(cardiac arnyloidosis),心内膜筋線維症(endomyocardial fibrosis),Loffler壁心内膜炎,心内膜線維弾性症(endocardial fibroelastosis)などが含まれている.
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