臨時増刊特集 診断基準とその使い方
I.循環器疾患
特発性心筋症
若林 章
1
,
河合 忠一
1
1京大第3内科
pp.1664-1666
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207477
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
定義
特発性心筋症(idiopathic cardiomyopathy:ICM)の定義は現在未だ混迷を続けているが,わが国ではGoodwinら1)の「原因または関連の不明な心筋の疾患」との考え方で一応まとまりつつある.リウマチ性心疾患,高血圧,冠動脈疾患などによる二次的な心筋異常を除外するのはもちろんのこと,アミロイドージス,サルコイドージスなど他の疾患に関連するものは「続発性心筋症」として区別される(表1).
すなわち,特発性心筋症は他疾患の除外を前提とした原因不明の心筋疾患(群)で,病因は多様と考えられ,病態は複雑をきわめる.しかし,臨床的には2つの群に大別することができる.左室の収縮不全を主な病態とするうっ血型心筋症と,心室中隔および左室壁の肥厚を特徴とする肥大型心筋症で,後者はさらに左室流出路狭窄の有無により,閉塞性と非閉塞性に分類される(表2).
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.