呼と循ゼミナール
心筋収縮性
友田 春夫
1
1東海大学医学部内科
pp.616
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202926
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心筋の収縮性(contractility)という術語は通常,心筋の見掛け上の収縮能力から,前負荷(preload)や後負荷(afterload)による影響を除いた意義に用いられている。しかし臨床例においては当然ながらこれらの諸因子が複雑にからみ合って心臓のポンプ機能を決定している訳で,心筋のみの収縮能力をisolateして求めることは非常に困難となる。このような目的に対する試みの一つの方向として,本来骨格筋に対して用いられてきた力学モデルが心筋にも応用されてきた。すなわち心筋を収縮要素(contractile element, CE),直列弾性要素(series elastic element, SE),並列弾性要素(parallel elastic element, PE)より構成されるものとし,並列弾性要素を省略した二要素モデル,上記三要素を組み合わせた三要素モデル(その配列によりMaxwell modelとVoigt modelに分けられる)が用いられてきた。
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