今月の主題 浮腫と臨床
その他の浮腫
薬剤と浮腫
岸本 道太
1
1国立病院医療センター循環器科
pp.1278-1279
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207365
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はじめに
浮腫には全身性と局所性があり,いずれにせよ,組織および組織間に余分な水分が貯留することである.全身性の浮腫として,心性,腎炎性,ネフローゼ性,代謝性,および特発性など病因的に分類される.局所性の浮腫には炎症性,血管神経性,静脈性,リンパ性などがある.浮腫を助長する因子としてナトリウム(Na)の過剰摂取が第一にあげられるが,他の因子なくして,ナトリウムの過剰摂取のみでは浮腫は生じない.
われわれが日常用いる薬剤の中には体内の水分貯留を起こし,浮腫を助長するものがあり,また局所に炎症,アレルギー,血管・リンパ管炎などを生じ,浮腫を起こすものがいくつかある.筆者に課せられたテーマは「薬剤と浮腫」ということであるが,すべての薬剤を網羅することは不可能に近いので,臨床上問題になる点,薬剤の使用上の注意と関連して,浮腫を生じるものをいくつか取りあげてみる.
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