特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
⑮「薬剤性浮腫」かと思ったら…!?
田村 弘樹
1
1千葉大学医学部附属病院 総合診療科
pp.282-283
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204709
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Case
患者:92歳、男性
主訴:両下腿浮腫
既往歴:便秘症(5年前から)、前立腺肥大症(10年前から)
内服:酸化マグネシウム990mg/日、センノシド12mg/日、ピコスルファート頓用、ルビプロストン48μg/日(3カ月前から)、大建中湯7.5g/日(2カ月前から)、ナフトピジル25mg/日、ミラベグロン50mg/日
嗜好歴:55歳で禁煙(15本/日×35年間)、焼酎250mL/日
現病歴:1カ月前から緩徐に両下腿浮腫が出現し、便秘症でかかりつけ内科を受診した。BNPと甲状腺機能を含む血液検査、胸部X線写真に特記所見はなく、下肢挙上で経過観察するも改善しなかった。徐々に浮腫が増悪し、階段昇降が困難となった。両下腿浮腫の原因精査目的に当科を紹介受診した。生活状況は独居で、毎日の散歩は変わらず行っている。
身体所見:独歩で入室。体温36.4℃、血圧148/64mmHg、脈拍数75回/分、SpO2 96%(室内気)、呼吸数16回/分。両下腿に圧痕性浮腫を認める(図1)。それ以外に特記所見なし。
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