内科専門医を志す人に・私のプロトコール
POS編・その6
石村 孝夫
1
,
岡野 弘
2
1虎の門病院内科
2虎の門病院呼吸器科
pp.1029-1032
発行日 1977年7月10日
Published Date 1977/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207287
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POS形式と従来形式折衷の記載
今月の症例について解説する前に,前回例の問題点について今一度触れてみたい.
前回例は#1のpure red cell aplasiaが基本的かつ主たるproblemであり,#2の縦隔腫瘍はその成因として,#4の右顎下結核性リンパ節炎は治療中の合併症としてとらえることができる大きなひとつの流れをもった症例である.このプロトコールについては山口潜先生がご指摘していらっしゃるとおり,病気に対する考察,治療の経過についての記載がとくに不明瞭で理解しにくいのである.この原因としては,もちろん,受持ちとして本例を完全に把握しえていないことはあげられるとしても,プロトコール記載にあたり,あまりにPOS形式に忠実に,active problem別に#1,2……と分類して著述したことがあげられよう.すなわち,1人の患者をproblem別に"分解"することにより,かえって病気の流れがぼやけてしまうのである.
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