内科専門医を志す人に・私のプロトコール
POS編・その5
石村 孝夫
1
,
山口 潜
2
1虎の門病院内科
2虎の門病院血液科
pp.881-884
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207249
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POS形式と従来形式折衷の記載
今月の提示例は,前回よりさらに一層,複雑な症例で,active problemは4つ,そのうち#3を除いては各各互いに関連性をもっている.POS形式だとこういう場合が困る.前回,POS形式では記載の前に,まず"縦割り"整理をしなくてはならないと述べたが,本例の場合は,#1のpure red cell aplasiaという基本になる大きな病気の流れがあって#2と#4はその原因および合併して生じた問題であるがために,本来,独立したactive problemとして分けてしまうことに無理があると思われる.
本例の記載は,はじめに例によって,"要約の要約"を記してあるので,#1,2,4相互の流れが理解できるが,これがなければバラバラとなって,病気の本体を見誤る恐れさえ生じてくるのである.こういう例に遭遇したとき,POSで一体,どう対処したらよいのか,私はまだいい方法が見当たらない,そこで,やむをえず一番大きなproblemである#1のみで本文を進め,その中で#2,#3…と挿入していくことにしている.これはいわば従来形式との折衷であるといえる.
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