内科専門医を志す人に・私のプロトコール
POS編・その2
石村 孝夫
1
,
三村 信英
2
1虎の門病院内科循環器科
2虎の門病院分院
pp.244-246
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207078
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今回および次回は,POS入門編として,active problemがひとつだけでその構成が簡単であり,要約をまとめるのが容易な例を提示する.active problemがひとつということは,problemが多数あって相互のっながりや流れがボヤけてしまうということもなく,単純にS,O,A,Pに"横割り"整理することができ,本例のようにPOSを大いに活用しうることとなる,active problemがひとつの場合,POSにおけるS,O,A,Pは従来形式でいえば,それぞれそのままpresent illness,physical examinationおよびlaboratorydata,hospital courseなどにあたると考えてよい.
本例の記載内容,方法について説明すると,まず全体の印象として読者諸氏の中には「要約としては詳しすぎる.これでは要約にならない」とお感じになる向きもあると思われる.しかし,これには前回でも述べたように2つの理由がある.ひとつは自分の貴重な財産として残すためである,自分で経験した症例は,どんな教科書をいくら読むよりも,より身につくことは誰もが承知しているところである.もうひとつは熱心なレジデントが書いた要約ほど,概して詳しくかつ内容がよく練られていることが多いことから,虎の門病院内での傾向としてはより詳しく記載する方向に指導されていることによる.
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