内科専門医を志す人に・私のプロトコール
POS編・その3
石村 孝夫
1
,
山口 潜
2
1虎の門病院内科循環器科
2虎の門病院血液科
pp.421-424
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207127
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今回も前回にひき続き,POS入門編としてactiveproblemがひとつだけで,構成が簡単な症例を提示する.
本例の♯2はここではinactiveとして扱う.前回でも述べたように,active problemがひとつの場合は単純にS,O,A,Pに"横割り"して整理するだけでよい.S,O,A,Pはそれぞれ従来形式におけるPresent illness,Physical examinationおよびLaboratory data,Hospital courseにあたると考えてよいわけだが,従来形式と異なるPOSの大きな特徴のひとつは,とくにAとPの項の記載に重点がおかれていることである.受持ち医が症例に関する情報(Data base)をどう把握,考察し,どう対処したか,さらに今後の方針はどうなのかなどについては,プロトコールの形式を問わず,よく内容が練られたものであれば,当然,含まれているべきものなのであるが,POS形式だとこれらの点がより一層明確となり,誰がみても一目瞭然となりうる.言いかえれば,POSのほうが見落とし,書き落としがチェックしやすく,受持ち医による較差が少なくなり,また指導医の側でも受持ち医が何を考えているのかが把握しやすく,教育,指導に,より好都合なのである.
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