今月の主題 消化器疾患の治療法—1994年の再評価
胃・十二指腸疾患
進行胃癌
中島 聰總
1
,
大山 繁和
1
,
太田 惠一郎
1
1癌研究会附属病院外科
pp.44-47
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902544
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ポイント
●胃癌の外科治療の歴史は,1881年のBillrothの胃切除に始まった.
●現在のわが国における標準的な術式は,梶谷,陣内,中山らによって1960年頃ほぼ確立された.
●胃下部進行癌に対する膵頭十二指腸切除術は,膵への直接浸潤のみが絶対的適応であることが明らかとなった.
●左上腹部内臓全摘術は,P1程度の腹膜播種を有する,あるいは潜在的腹膜播種を有する症例が良い適応である.
●拡大リンパ節郭清は大動脈周囲リンパ節に及んでおり,より合理的な郭清部位,適応などについて検討されている.
●さらなる進行胃癌の治療成績向上のためには,肝転移,リンパ節転移に対する薬剤強度を高めた術前化学療法,腹膜播種の治療あるいは予防を目的とした術中あるいは術後化学療法が必須である.
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