今月の主題 心筋梗塞—今日の問題点
心筋梗塞の予知
切迫梗塞の病像
宮下 英夫
1
,
佐藤 友英
1
1帝京大第1内科
pp.18-20
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207014
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はじめに
労作性狭心症より重症であるが,心筋梗塞よりは軽い病型を一括して中聞型(intermediate type)とするWHO(1962年)の分類は今日でも広く用いられている.しかし,この中間型には各種の名称が報告され,実に20数個の病名が提唱されている1,2).この中には重症狭心症で心筋壊死徴候のまったく認められなつものから,小さな梗塞がすでに発生していると考えられるものまで幅広く存在するが,心筋梗塞に移行直前の病的状態ないしは梗塞に移行する可能性の高い病型を区別しようとする努力がなされてきた.これは治療の面からも,また梗塞の予知の面からも重要であり,大きな関心を集めている.このような意味をもった病名ないし症候群はすでに10個存在するが,その代表的なものとして,切迫梗塞impendingmyocardial infarction(Waitzkin 1944,Beamish & Storrie 1960),中間冠状症候群intermediatecoronary syndrome(Vakil 1961),梗塞前狭心症preinfarction angina(Resnik 1962)などがあげられる3).
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