Japanese
English
綜説
肺線維症の病像
Pulmonary Fibrosis—Pathological Aspect
下里 幸雄
1,2
,
馬場 謙介
1,2
,
薬丸 一洋
1,2
,
森川 征彦
1,2
Yukio Shimosato
1,2
,
Kensuke Baba
1,2
,
Kazuhiro Yakumaru
1,2
,
Masahiko Morikawa
1,2
1国立がんセンター研究所病理部
2慶応義塾大学医学部病理学教室
1Pathology Division, National Cancer Center, Research Institute
2Department of Pathology, Keio University
pp.888-896
発行日 1971年11月15日
Published Date 1971/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202319
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はじめに
肺の線維症を広義に解釈すると,肺組織の広範なあるいはびまん性の線維化を伴った状態であるということができる。限局性の肺線維症には,梗塞や無気肺の陳旧化したもの,肺化膿症,器質化した肺炎などが含まれる。限局性ないしびまん性の肺線維症をもたらす疾患としては肺結核,真菌症,寄生虫性の疾患などがある。そして,びまん性の肺線維症には,慢性気管支炎や肺気腫によるもの,梅毒性肺炎,ウィルス性肺炎,pneumocystis pneumonitisなどの感染症に由来するもの,silicosis, asbestosisなどの塵肺症,Farmer's lung, Bagassosisの如きextrinsic allergic alveolitis1)2), sarcoidosis,ベリリウム肺などのびまん性肉芽腫,silo-filler's diseaseの如き刺激性の化学物質あるいは薬剤による肺障害,慢性のうっ血性心不全によるもの,リウマチ性肺炎,原因不明のdesquamative interstitial pneumoniaなどがある。
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