今月の主題 心筋梗塞—今日の問題点
心筋梗塞の予知
いわゆるrisk factor
橋本 敏夫
1
,
新谷 博一
1
1昭和大第3内科
pp.15-17
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207013
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心筋梗塞はきわめて重篤な疾患で,筆者らのCCUにおける成績1)でも全体の死亡率は26.2%で,初発作,再発作以上のものの死亡率は,それぞれ15.6%,57.1%であった.このように死亡率がきわめて高いことから,その予知・予防がもっとも理想的で重要なことと考える.
アメリカにおけるFrarningham study2)をはじめとする疫学的研究によって虚血性心疾患(IHD)を発症しやすくする因子(coronary risk factors)が明らかにされてきた.これらの因子は冠動脈硬化の発症,進展に関与すると考えられ,かような因子をもつものは,もたないものにくらべてIHDないし心筋梗塞を発症する危険性が大きい.したがって,これらのrisk factorsを追求することによって,ある程度心筋梗塞の発症を予知することができ,またそれに対して適切な予防手段を講ずることも可能であろう.
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