今月の主題 ミオパチー最近の進歩
ミオパチーの治療
筋強直症の治療
飯田 光男
1,2
1名大第1内科
2名大検査部
pp.2160-2161
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206990
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筋強直症の特徴は臨床的に観察される筋強直現象である.この筋強直現象(myotonia,ミオトニー)は骨格筋において,随意収縮あるいは機械的に生じた筋収縮が,意に反して直ちに弛緩できなくて遅延してくる特異的な現象であり,もっと正確な表現をすれば,骨格筋の収縮後に続くafter-contraction(後収縮)の延長ということができる.そして,この現象は筋電図的に針電極あるいは表面電極を用いて証明することができる.すなわち,随意収縮を中止した後も筋活動電位が1分以上も続いて発射するのが観察される.
この筋強直現象は,ミオトニー症候群(Walton andNattrass,1954)と呼ばれる疾患群に臨床上認められ,先天性筋強直症,筋強直性ジストロフィー症,パラミオトニー症(寒冷時に出現し,脱力発作出現)を3大主要疾患としている.このように筋強直現象はある種の遺伝性筋疾患に出現してくるか,また,時には後天性症候として出現してくることもあり,次のような広い疾患群を包含させて分類することが妥当であろう.
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