今月の主題 ミオパチー最近の進歩
多組織性疾患
Kearns-Shy症候群
木下 真男
1
1東邦大第4内科
pp.2126-2127
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206977
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眼瞼下垂と外眼筋障害を主症状とする疾患には,眼筋ミオパチー(ocular myopathy)や進行性外眼筋麻痺(progressive external ophthalmoplegia)などの概念がある.これらの中には,障害が眼筋に限られた症例もあるが,また,眼筋だけでなく,そのほかの筋肉,とくに咽頭筋などが同時に侵される例もあり,また,四肢筋にも障害が及ぶ例もある.さらには,筋の障害ばかりでなく,神経系を含めた他の臓器,組織の障害を伴う症例もあり,そのような例では多彩な臨床症状が見られるのが常である.このような例を臨床的にまとめたのが,1958年のKearnsおよびSayreの報告で,外眼筋麻痺に加えて色素性網膜炎と心の完全ブロックを有する例を報告した.Kearnsはさらに1965年に症例を追加してまとめを行い1),これを前述の3症状を主徴とする新しい症候群として提唱した.その後,類似の症例の報告が相次ぎ,本邦でも幾つかの報告があるが,それらのあらましをまとめると以下のようになる.
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