臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
治療篇
21.RIの内用療法
橋本 省三
1
1慶大放射線医学
pp.2064-2067
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206959
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現況
RIを患者の体内に経口投与,注射,穿刺,注入して行う内用療法は,治療用の放射性医薬品として販売されている131I,198Auが主である.昭和49年には131I治療用カプセル23,600mCi,液11,100mCi,注射液1,600mCiであったものが,翌年の50年には25,500mCi,5,900mCi,400mCiとなって,全体として減っており,カプセルの使用が多くなっている.198Auは25,900mCiが19,700mCiと減少傾向を示している.このことはRI内用療法は法的規制によって放射線治療病室で行われなければならず,また,看護婦などの手不足が経営上の収支を悪化させ,本法の実施に伴う当直体制,廃棄汚染物の処理などの諸経費の支出を許さなくなり,他方,その治療効果は化学療法剤などの出現と投与方法の進歩によってカバーされるようになってきたからである.
しかしながら甲状腺疾患に対する治療効果は機能亢進症,悪性腫瘍ともに秀れているので,ひき続き行われており,投与の容易なカプセルを,主として外来で投与しているものと考えられる.この点は放射線管理上問題であるが,198Auは入院を要するのでこれらの管理上の問題は少ない.半減期のことを考えると,131Iでは年間4,000例,198Auは300例程度が昨年度に行われたかと推定される.
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