付録
1.ME機器の安全管理
石山 陽事
1
1虎の門病院生理学科
pp.2070-2072
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206960
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近のME機器の進歩は,確かに医学の分野で着実にその威力を発揮しつつある.しかし一方,電子工学の急速な発展によるより高度なME機器は,使用者にとっては,それを使用することで精一ぱいのあまり,機器の性能や安全についてチェックする余裕のないのが現状といえる.結論からいえば,その原因として,患者をみる医師とパラメディカルスタッフ相互に介在する,いわゆるME機器を中心とする医療システムを医学的,工学的見地から評価し,責任管理するMEの専門的技術者が不足していることにある。最近は臨床工学(clinical engineering)という言葉が,臨床に直結したME技術の分野として使用されているが,機器や設備の拡大に伴い,機器の購入計画,および将来計画,機器の信頼性の再評価,安全管理の確保などがますます重要になり,この臨床工学を専門とする技術者の必要性にせまられている.しかしわが国では,このような専門家が各診療機関に配属されるためには,現在ではまだかなりの時間が必要なようである.したがって,ME機器に対する安全管理は機器の使用老自身が行わなければならない.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.