Japanese
English
研究と報告
せん妄に対するrisperidone内用液の使用経験
A Prospective, Open-Label, Flexible-Dose Study of Risperidone Oral Solution in the Treatment of Delirium
戸田 裕之
1
,
佐々木 幸哉
1
,
伊藤 耕一
1
,
仲唐 安哉
1
,
賀古 勇輝
1
,
伊藤 候輝
1
,
増井 拓哉
1
,
久住 一郎
1
,
小山 司
1
Hiroyuki TODA
1
,
Yukiya SASAKI
1
,
Koichi ITO
1
,
Yasuya NAKATO
1
,
Yuki KAKO
1
,
Koki ITO
1
,
Takuya MASUI
1
,
Ichiro KUSUMI
1
,
Tsukasa KOYAMA
1
1北海道大学大学院医学研究科神経機能学講座精神医学分野
1Department of psychiatry, Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
Delirium
,
Risperidone oral solution
,
Atypical antipsychotics
Keyword:
Delirium
,
Risperidone oral solution
,
Atypical antipsychotics
pp.1163-1167
発行日 2004年11月15日
Published Date 2004/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100579
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抄録
リスペリドン内用液(RIS-OS)を用いたせん妄の治療経験について報告した。対象はDSM-IVに基づいて診断されたせん妄の10例で,うち6例が,絶食または絶飲食を指示されていた。せん妄の重症度評価にはTrzepaczらのDelirium Rating Scale を用いた。RIS-OSを1日1回夕食後0.5mg/日で投与を開始し,その後,必要に応じて,追加投与・増減量・投与時間の調整を行った。全対象症例の,第0日目のDRS得点(平均±標準偏差)は19.6±3.2点,第7日目のDRS 得点(平均±標準偏差)は11.3±5.5点であった。RIS-OS投与により9例が寛解に至った。寛解までに要した期間は平均6.1日,RIS-OSの最高投与量は平均1.38mg/日であった。重篤な有害事象は生じなかった。これらの結果から,せん妄治療におけるRIS-OSの高い有用性と忍容性が示唆された。特に経口服薬困難例に対して,RIS-OSは第一選択薬として試みられるべき価値のある薬物であると考えられた。
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