臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
VIII.中枢神経系疾患の診断技術
9.Computerized transverse tomography(EMI-scan)
喜多村 孝一
1
,
山本 昌昭
1
1東女医大脳神経外科
pp.1800-1804
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206899
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1895年,W. C. RoentgenのX-rayの発見は,当時の医学における革命的な出来事として記憶されている.爾来,X線診断学は飛躍的な進歩を遂げてきた.しかし,従来のX線写真に関する限り,透過X線のもつ情報量を十分に活用しているとはいえない.そこで,1961年Oldendorf8)は,透過X線からcomputerにより画像をつくることの可能性を実験的に示した.また実際面でも,1968年頃になり,頭部のRI scintigraphyやechoencephalographyで,既にcomputerを用いたaxial tomographyが応用されていた7).このような背景の中で,1972年Hounsfield4)により,世界ではじめてのcomputerized transverse tomography(CTTと略す)として,EMI-scanが開発されたのである.それ以来,EMI-scanはnon-invasiveな検査法として,爆発的に普及しつつあり,また機械そのものも急速に進歩している.
現在,EMI-scanner,ACTA scanner,Sirotem,⊿-scannerなど,数機種が発売されており,頭部に関する限り,CTTに対する評価は,ほぼ定まってきているようである1,2,5,6).ここでは,実用に供された世界最初のCTTであるEMI-scanを紹介するとともに,CTTの最近の機構上の進歩について述べたい.
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