増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
transverse ridging
貫 陽一郎
1
,
江﨑 幹宏
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
キーワード:
粘膜収束像
,
虚血性大腸炎
,
腸管子宮内膜症
Keyword:
粘膜収束像
,
虚血性大腸炎
,
腸管子宮内膜症
pp.650
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200997
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定義
“transverse ridging”は横に走るあぜ道を意味し,消化管画像所見においては腸管の長軸方向に垂直に走行するひだ所見を指す.Schwartzら1)が虚血性大腸病変でみられるX線造影所見のひとつとして報告したのが最初であり,主に注腸X線造影検査の画像所見として用いられる.
正常の大腸では十分な空気量で伸展させるとhaustra以外の皺襞は不明瞭となるため,本所見を認める場合には大腸壁の伸展不良が存在することが示唆される.成因としては腸管壁の浮腫性変化が主体と考えられているが,虚血性大腸炎の急性期にみられる拇指圧痕像とは異なり,浮腫に加えて線維化などによる区域性の伸展不良を伴うことにより,本所見が明瞭となる.
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