臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
VIII.中枢神経系疾患の診断技術
3.脳波賦活法
高橋 剛夫
1
1東北大精神科
pp.1762-1767
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206893
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その順序は同一ではないにしても,閉瞼安静時記録,開・閉瞼,閃光刺激,過呼吸,そして睡眠による脳波賦活が,現在広く実施されている脳波検査である.かかる脳波記録・賦活手技は成書2)にも詳述されており,すでに日常化した方法でもあり,その説明は省略したい,上述した脳波検査を注意深く行うことにより,その目的は一般には十分達せられるといっても過言ではない.ところが,てんかんなど,発作性症状を有する症例では,その誘因を考慮した,いわば特殊検査を必要とする場合が少なくない,後述の方法は,単なる開・閉瞼,閃光刺激,過呼吸以外の覚醒時に行う各種脳波賦活である.賦活効果が確認されているものだけをあげたが,Metrazol-Bemegride賦活を除いて,いずれもまだ定着した方法とはいいがたい.しかし,われわれは,そのいくつかをルーチンの検査として実施しており,稀ならず賦活効果を認めている3,4).以下,これら覚醒時の脳波賦活法について紹介し,合わせて若干の賦活脳波所見について示説する.
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