特集 臨床神経生理学的検査の進歩
Ⅰ 脳波
6.賦活法の進歩
高橋 剛夫
1
,
松岡 洋夫
2
,
佐々木 政一
3
,
厨川 和哉
4
1仙台市立病院神経科
2東北大学神経精神科
3東北大学神経精神科脳波室
4仙台市立病院中央臨床検査室
pp.1249-1260
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911384
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一般脳波検査のための賦活法に関する最近の研究は,ほぼ確立された過呼吸や睡眠による方法以外の,覚醒時に行われる各種賦活法の開発やその基礎的研究に集中している21).したがってこの論文では,覚醒時に行われる比較的新たな,臨床的に有用でありかつ実用的な方法を中心に紹介する.なお過呼吸賦活に関しては,4分以上6分間まで負荷時間を延長することにより,高振幅鋭徐波の賦活が増大するという小原ら6)の報告がある.ペンテトラゾールやベメグライドによる脳波賦活は,最近ではごくまれにしか行われておらず,これらけいれん薬,更には向精神薬など特殊な薬物を用いた賦活法7,8,21)の説明は省略する.いわゆる脳波賦活とは異なるが,Lo-mbrosoら3)はてんかん患者に覚醒状態を保たせながらamobarbital sodiumを段階的に静注し,速波及び発作波の消長から脳波を分析する方法を報告している.断眠による方法もてんかんの脳波賦活として重要であるが,限られた紙数でありその説明は成書7,8)に譲りたい.
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