特集 負荷機能検査法
脳波の賦活法
大高 忠
1
1東京医歯大神経精神科
pp.948-957
発行日 1972年9月15日
Published Date 1972/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907737
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脳波の記録は,原則として安静に覚醒した状態で閉眼して行なわれるが,このような安静時記録にはまったく異常がみられないか,あってもごく軽度の異常しか示さないのに,ある種の刺激を加えて脳に特定の生理的・生化学的変化を起こさせると,異常波が誘発されたり,異常の程度がさらに増強されたりする場合がある.たとえば,てんかん患者で発作間歇期の安静時脳波にはほとんど異常がみられないのに,過呼吸を行なわせたときや睡眠時にはじめて明らかな異常波が出現することも少なくない.
このように,被検者にある種の刺激を加えて脳の生理的・生化学的状態を変えることにより,安静時の記録では明らかでなかった脳波の異常性を顕著にさせる方法を脳波の賦活法と呼ぶ.
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